約定強度とは?
株のチャートを見ていると、「約定強度」という言葉をよく目にします。
約定強度とは、買い約定数量と売り約定数量の比率を示す指標です。
簡単に言えば、現在の市場で買い約定が強いのか、売り約定が強いのかを数値で表したものです。

約定強度の基本的な意味
約定強度を簡単に言うと、以下のようになります。
買い約定数量が売り約定数量よりもどれだけ強いかを示す比率
です。
一般的に、次のように理解できます。
約定強度 = 買い約定数量 / 売り約定数量 × 100
例えば、買い約定数量が12,000株で、売り約定数量が10,000株の場合:
12,000 / 10,000 × 100 = 120
約定強度は120になります。これは、買い約定数量が売り約定数量より約20%多いことを意味します。
| 約定強度 | 基本的な解釈 |
|---|---|
| 100 | 買い約定と売り約定がほぼ同じ |
| 100 초과 | 買い約定がより強い |
| 100 미만 | 売り約定がより強い |
| 120 이상 | 買い勢いが比較的強い状態 |
| 80 이하 | 売り勢いが比較的強い状態 |
約定強度における基準点は100です。100より大きければ買い約定が優勢であり、100より小さければ売り約定が優勢です。
ここで言う「買い約定」とは?
約定強度で言う「買い約定」は、次の意味です。
買い手が売り指値を直接買って約定した取引
を指します。
例えば、現在の板情報がこのようになっていると仮定してみましょう。
売り指値 10,100円
現在値 10,090円
買い指値 10,080円
ある人が「今すぐ買いたい」と思って10,100円の売り指値にかかっている数量を買い取ると、この取引は買い約定として計上されます。
逆に、ある人が「今すぐ売りたい」と思って10,080円の買い指値に投げると、この取引は売り約定として計上されます。
つまり、約定強度は単に「誰が買った、誰が売った」というだけでなく、誰がより積極的に相手の気配値を叩いたかを示す指標なのです。
約定強度は市場の積極性を示す
約定強度はこのように理解すると良いでしょう。
約定強度が高い = 買い手がより積極的に買っている
約定強度が低い = 売り手がより積極的に売っている
つまり、約定強度は市場参加者の攻撃性を示します。
買い手が待たずに高い価格を直接買えば買い約定が増えます。売り手が待たずに低い価格に直接売れば売り約定が増えます。
そのため、約定強度は単純な出来高よりも、もう少し生々しい情報を提供します。
出来高は単に「どれくらい取引されたか」を示します。約定強度はその取引の中でどちら側がより積極的だったかを示します。
約定強度が高ければ価格は必ず上がるのか?
いいえ、そうではありません。
この部分が本当に重要です。
約定強度が高いからといって、価格が必ず上昇するわけではありません。
約定強度が120、130、さらには150になっても、価格が停滞したり下落したりする場合があります。
最初は不思議に感じるかもしれません。
「買い勢いが強いのに、なぜ価格が下がるんだ?」 「需要が多ければ価格は上がるはずではないのか?」
理論的にはその通りです。しかし、実際の市場では板情報の構造が同時に作用します。
約定強度は高いのに価格が上がらない理由
最も一般的な理由は、上に売り注文が厚く積み上がっているためです。
例えば、ある銘柄の板情報がこのようになっていると仮定してみましょう。
10,150円 売り残量 80,000株
10,140円 売り残量 50,000株
10,130円 売り残量 40,000株
現在値 10,120円
10,110円 買い残量 5,000株
10,100円 買い残量 4,000株
買い手が継続して10,130円、10,140円の売り注文を買い取っていけば、約定強度は高く出る可能性があります。
しかし、上に積み上がった売り注文が多すぎると、価格は簡単に上昇できません。
この状況は、次のように解釈できます。
買い勢いは入ってきている。
しかし、上値の売り圧力がより強い。
そのため、約定強度が高くても価格が停滞したり、押し戻されたりすることがあります。
約定強度は「力の方向」、価格は「戦いの結果」
約定強度と価格の関係は、このように考えると理解しやすいでしょう。
約定強度 = 買いと売りのうち、どちらがより積極的か
価格変動 = その力比べの実際の結果
約定強度が高いということは、買い手が積極的であるという意味です。しかし、その買い勢いが上値の売り注文を打ち破ることができなければ、価格は上昇しません。
逆に、約定強度がそれほど高くなくても、上に売り注文が薄く、価格抵抗が弱ければ、簡単に上昇する可能性があります。
つまり、約定強度は重要なシグナルですが、常に価格の動きと合わせて見る必要があります。
約定強度だけを見ると危険な理由
約定強度だけを見て買いを入れると危険な場合があります。
例えば、すでに大きく上昇した銘柄で約定強度が高く維持されているとします。
表面上は買い勢いが強く見えます。しかし実際には、誰かが高値圏で継続的に株式を手放している(利益確定売りなど)可能性もあります。
このような場合には、次のような状況が見られることがあります。
約定強度は高い
出来高も多い
しかし、価格はそれ以上上がらない
ローソク足に上ヒゲが継続して発生する
高値が切り下がる
この状況は、良い買いシグナルではなく、むしろ売り物放出や上値抵抗のシグナルである可能性があります。
そのため、約定強度は必ず以下の要素と合わせて見る必要があります。
価格位置
ローソク足の形状
出来高
直前高値の突破可否
上ヒゲ・下ヒゲ
板情報(残量)
市場全体の雰囲気
約定強度を見る際に併せて確認すべきこと
1. 価格は実際に上昇しているか?
約定強度が高い場合、まず見るべきは価格の反応です。
約定強度高 + 価格上昇 = 買い勢いが価格を押し上げている
約定強度高 + 価格停滞 = 買い勢いはあるが、上値の売りが強い
約定強度高 + 価格下落 = 買い勢いよりも売り圧力または抵抗が強い可能性がある
約定強度は数字です。しかし本当に重要なのは、その数字に価格が反応しているかどうかです。
2. 出来高は共に増加しているか?
約定強度は比率です。そのため、出来高が少なすぎる状態では意味が薄い場合があります。
例えば、買い約定数量12株、売り約定数量10株であれば約定強度は120です。
しかし、出来高自体が小さすぎます。このような約定強度は大きな意味を持たせにくいです。
逆に、出来高が十分に増加した状態で約定強度120が出れば、その意味ははるかに大きくなります。
出来高少 + 約定強度高 = 信頼度低
出来高増 + 約定強度高 = 信頼度上昇
3. 直前高値を突破したか?
約定強度が高く、出来高も増加している中で、現在値が直近の高値を突破すれば、その意味は大きくなります。
例えば、最近5本の1分足ローソク足の高値が10,000円で、現在値が10,010円に上昇したとすれば、短期的な抵抗を乗り越えたと見なせます。
このような場合は、次のように解釈できます。
買い約定が強い。
出来高も伴っている。
価格も抵抗を乗り越えた。
この三つが同時に現れると、約定強度の信頼度が上がります。
4. ローソク足の形状はどうか?
約定強度が高くても、ローソク足が陰線であったり、長い上ヒゲを作っていたりする場合は注意が必要です。
約定強度高 + 陽線 = 買い勢いが価格に反映されている最中
約定強度高 + 長い上ヒゲ = 上で売り物が継続して出ている最中
約定強度高 + 陰線 = 買い勢いはあるが、価格防御に失敗する可能性
特に高値付近で長い上ヒゲが繰り返される場合は、約定強度が高くても注意が必要です。
約定強度の解釈例
例1. 良いシグナルに近い場合
約定強度 130
出来高増加
1分足陽線
直近5本ローソク足高値突破
上ヒゲ短い
この場合は、買い勢いが実際の価格上昇に繋がっています。約定強度が意味のあるシグナルとして機能する可能性が高いです。
解釈すると:
買い手が積極的に買っており、その力が実際に価格を押し上げている。
例2. 注意が必要な場合
約定強度 130
出来高増加
価格は停滞
長い上ヒゲ繰り返し
直近高値突破失敗
この場合は、買い勢いは入っていますが、上で売り物が継続して出ている状況である可能性があります。
解釈すると:
買い勢いはあるが、上値の売り注文を突き破ることができていない。
このような状況では、約定強度が高いという理由だけで買いを入れるよりも、価格が実際に抵抗を突破するかどうかを確認する方が良いでしょう。
例3. 危険な場合
約定強度 120以上維持
出来高急増
現在値下落
陰線拡大
安値離脱
この組み合わせは非常に危険です。
価格はすでに下落しています。上から出てくる売り注文を誰かが受け止めているだけで、その買いが価格を押し上げることができていない状態です。
この時、下値の買い残量が持ちこたえられないと、流れは一瞬で変わります。支えていた買い注文が枯渇した瞬間、価格は階段のように下がるのではなく、空洞に落ちるように暴落する可能性があります。
解釈すると:
買い勢いが強いのではなく、降り注ぐ売り注文をかろうじて受け止めている状態である可能性がある。受け止める力が途切れると、価格は一瞬で崖のように崩れ落ちる可能性がある。
そのため、この状況では約定強度の数字よりも現在値の下落、陰線拡大、安値離脱をより重く見るべきです。
約定強度はいつ有用か?
約定強度は、特に短期売買において有用です。
次のような状況で参考価値があります。
短期的なブレイクアウトが発生する瞬間
出来高が急に増加する瞬間
特定の価格帯を突破しようとする瞬間
押し目以降に反発が出現する瞬間
場中の注目銘柄の需給変化を見る時
例えば、ある銘柄が静かだったのが突然出来高が増え、約定強度が100を超えて徐々に上昇しており、価格も加重平均金額を上回って上昇したり、直近の高値を突破したりする場合は、注目して見ることができます。
逆に、約定強度が継続して低く、価格も安値を割っている場合は、売り勢いが優勢な流れと見なせます。
まとめ
約定強度は買い約定数量と売り約定数量の比率です。
100より高ければ買い約定が優勢であり、100より低ければ売り約定が優勢です。つまり、市場でどちら側がより積極的に約定を形成しているかを示す指標です。
しかし、約定強度だけでエントリーや決済を決定するのは危険です。約定強度が高くても価格が上昇できない場合、上値の売り注文が強く抵抗しているか、誰かが買い勢いを利用して株式を手放している(利益確定売りなど)状況である可能性があります。
そのため、約定強度は必ず他の流れと合わせて見る必要があります。
価格の動き
出来高の増加有無
ローソク足の形状
直近高値の突破可否
板情報の注文構造
約定強度は市場の力がどちらに傾いているかを示す重要な指標です。ただし、数字一つだけを見るのではなく、その力が実際に価格に反映されているかまで合わせて確認する必要があります。
約定強度、出来高、ローソク足、価格位置を合わせて見ると、エントリーポイントだけでなく、エグジットポイントもより鮮明に見えてきます。強い買い約定が価格上昇に繋がればチャンスとなり、強い約定にもかかわらず価格が下がり始めれば危険信号となります。
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